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2012年10月13日土曜日

ストーリー S-02-01 ~アニメを作ろう!













「国分寺、もう進路、決めた?」
「ん?まあね…」
「え!さすがだね…。何?」
「ちょっと知り合いにね…手伝って欲しいって、言われている仕事があってね。」
「えー、すご~い。どんな仕事?」
「まあ、簡単に言えば出版社。編集の手伝いしたことあってね。まあ、アシスタントってとこね。」
「へぇ、すごいなぁ。でも国分寺って、てっきり大学行くのかと思った。頭いいし。」
「大学はね、いつでも行けるから…。まずは仕事してキャリア積んでそれから本当に必要だと思う勉強、できるでしょ?」
「へぇ~、かっこいいね、国分寺。」
「別にかっこよかないわよ。それに学校行くには先立つものが要るでしょ?私、親に進路のことでガタガタ言われたかないから…。」
「ふ~ん…。やっぱり、かっこいい。」
「ばか。ところで琴未はどうすんの?」
「それが…。」

「まだ、決まってないんだ?」

「うん。自分で何をやりたいのか分かんない…。国分寺、私、何に向いてるかな?」

「そうね…。あなた、いつもそうやって旅行雑誌とか海外の風景写真ばっかり観てるけど、旅行会社なんてどう?」

「えー?旅行会社って、添乗員したり大変でしょ?私、人前で話したりするの苦手だし…。」

「そうね。でもあなたの場合、『人前』って、言うよりは人と話すのが、でしょ?話したことある男子、できた?」

「だって…。」

「もう、高校生活、終わっちゃうよ…。」

「私は別にいいの。国分寺とこうして話してる方が楽しいし。」

「あなたの人見知りは筋金入りね。ところで、旅行会社の仕事だけど、添乗員みたいに表に出る仕事ばかりじゃないのよ。例えば、ツアーの企画する仕事とか、パンフレットを作るとか、営業事務みたいな内勤の仕事も沢山あるわよ。」

「へぇ、そうなんだ…。さすが国分寺。」

「こないだ、雑誌の仕事で旅行会社の仕事を特集する記事を手伝ってインタビューに同席させてもらったの。一見、華やかな仕事に見えるけど、意外に地道な仕事なんだよね。あなた、コツコツやるの、苦にならないタイプだから案外向いてるかもよ。好きな海外の写真見ながら仕事できるわよ、きっと。」

「ほんと?それ、いいかも。私、それにする…。」

「ちょい、ちょい!もっと良く考えなさいよ!」

「だって、国分寺がそう言うなら、間違いないから…。私のこと、私より良く知ってるの、国分寺しかいないから…。」
「琴未が自分のこと知らな過ぎなんだよ」




** 【9月25日記事の転載】 **

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